「甲田カーブ」とは
医学博士、医師であった故・甲田光雄氏は、幼少期より数々の難病を経験され、やがて西洋医学以外の民間療法や東洋医学へ目を向け、医療研究により断食についての見解を深められた。
ご自身も断続的な断食を繰り返し、慢性的になっていた病気は徐々に快方へ向かい、5年後にはすべての病気が消え、健康な体になったという。
その後、西式健康法を基本に、菜食中心の少食療法を実践・指導し、「本来生物は生命の維持に必要最低限の量の食糧しか食べなくてもよいように体ができている」と実感。
そして、現代人の病気の原因は、そのほとんどが「食べ過ぎ」だとする考えに至る。
食べ過ぎが、腸の中の宿便を増やし、あらゆる病気を引き起すのであり、腸の中に長年溜まった宿便さえ体外に排出すればどんな難病も治癒すると主張する。
また、甲田氏は、水だけしか飲まない本断食を、十数回行った。
本断食をすると、体中に痛みや熱が出るなどの激しい好転反応が出て、現代医学では治せない難病が劇的に好転すると実感。
この厳しい断食を誰もが安全に、楽に行える方法として、毎朝、朝食を抜くだけでよい「半日断食」を提唱している。
【甲田療法】
甲田療法は、西式健康法を基に考案された民間療法である。
野菜をすりつぶした青ドロを使う西式健康法とは異なり、青ドロをこした青汁を使用する。一日二食、カロリーを1600kcal以下に抑えた食事を摂り続ける。
食事は主に玄米(あるいは生玄米)、豆腐、青汁で、1日に2リットル以上の水、もしくは柿茶の摂取を推奨。
こうした食生活を毎日続けていくと体重が減ってくるが、あるところで体重の減少が止まり、やがて大量の宿便が排泄され、体重が増え始める。
大量の宿便が排泄されると、体質が改善して胃腸の吸収が良くなり、やがて患者の体重は同じ食事量であるにもかかわらず、徐々に増加していく。
その後、各人の適正体重になると体重の増加は止まり、安定する。
この体重の変化を、甲田氏は「甲田カーブ」と呼ぶ。
その人それぞれに見合った理想の体重に保たれ、栄養を最も効率よく吸収できる身体になることができる。